月魚

本書の主人公は祖父の代から古書の売り買いで生計を立てている「無窮堂」の三代目の若き店主の本田真志喜、そして彼と同じく古書業界に身を置く友人の瀬名垣太一の二人です。

二人は子供の頃か一緒に古書の世界を見て、兄弟の様に育ちました。
しかし、ある事件をきっかけに二人は同じ「罪の意識」を抱えることになります。
物語は瀬名垣が本田に買い付けの話が持ち込む所から始まります。
依頼人は山間にある旧家の未亡人で、彼女は死んだ主人の遺品となった本を売りたいというのです。
さっそく、二人は依頼人の元へ行き本を買うつもりでした。
しかし、そこでは本を売り払いたいという未亡人と図書館に寄付しろという親戚達が揉めており、ついには地元の古書店と「査定比べ」をすることになります。

個人的な印象を書くと、とても静かな物語でした。
二人が身を置く「古書業界」は一般的に馴染みが薄く、また閉鎖的な雰囲気で独特の世界観を構成していました。
また、主人公となる二人の耽美的な空気は読む人を選ぶかもしれませんが、作者の小説が好きなら是非とも読んで欲しい一冊です。

初版:2001年5月/角川書店
文庫版:2004年5月/角川文庫

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