本作はタイトルこそ「光」ですが、内容は人によっては「理不尽」と怒り、またハッピーエンドが好きな方は「嫌い」と言い切るかもしれませんね。

この物語は静かに閉ざされた美浜島から始まります。
この島に住む十四歳の信之は、それまで島内で一番の美人と言われる美花と中学生ながら体を重ねること夢中でした。
そんな二人の後を何かとついて回る輔(たすく)は、父親に殴られるの毎日を過ごしていました。

ですが、そんな島での生活は信之が家を抜け出して美花と神社で待ち合わせた夜に終わりを迎えます。
信之と美花、それに家を抜け出して二人についてきた輔、顔を合わせた三人が何気なく海を見ていると津波が押し寄せて島の全てを飲み込んでしまいます。
更に生き残りとなった三人は、島を出るまでに大きな秘密を抱えることになります。

そして、物語は二十年後に移り、それぞれ別の場所で生きていたはずの三人の人生が思わぬ形で交差します。
この本では恋愛小説の様な甘さはなく、登場する人々の「影」が色濃く映し出されています。
なので、先にも書いたようにハッピーエンドが好きな人は面白くないと感じるかもしれませんね。
私は作者の新しい一面として、この作品は興味深いと感じましたね。
ただ、本当に救いがないので読後感が良いとは言えませんね。

初版:2008年11月/集英社

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