格闘する者に○

漫画が読むのが大好きだから、出版社に就職して編集者になる。
そう思って就職活動をしていた女子大生の可南子だが、現実は厳しかった。

まず、目当ての業界は募集が少ないからと、手始めに別の業種に説明会に行くも「平服」の意味を間違え、他の学生より悪い意味で目立ってしまう。
そんな可南子の前に、今度は家族の問題が浮上する。本書は作者が体験した就職活動を元に書かれているためか、リアリティがあります。
そんな話題に少し変化をもたらすのが主人公の家族構成です。

可南子を生んだ母、その人に見染められ入り婿した父親、その父の再婚相手の義母、母違いの五つ年が離れた弟と就職活動に勤しむ女子大生の家族としては豪華な面々です。
これがデビュー作であり、まだ自身の作風を確立できない頃の作品なので大げさな部分もありますが、それを差し引いても厳しい現実と家族間の問題に立ち向かう主人公の姿はタイトル通りに「格闘する者」に相応しいです。
そして、読むと「キミは間違っていない」という意味を込めて「○」を送ってあげたくなります。

初版:2000年4月/草思社
文庫版:2005年3月/新潮文庫

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