木暮荘物語

夫婦に恋人に小田急線の「世田谷代田駅」から歩いて五分の所に築数十年のボロアパート「木暮荘」があります。
部屋数は全部で六つ、そこに今は四人の男女が暮らしています。
一室ごとに物語があり、本書は「木暮荘」の住民達にスポットを当てた連作集です。
二人の男と一緒に奇妙な生活をする事になった女性、老年と呼ばれる年になりながら妻を「女」として見る大家、喫茶店を経営する夫のコーヒーから泥の味を感じる妻、床の穴から階下を覗く男、友人の赤ん坊を預けられた女子大生など一見すると普通の人たちの少し変わった「愛」の物語が紡がれます。

同じアパートの住民が代わる代わる主人公になるので、自然と別の話に出た人物が脇役で登場します。
主人公達の行動は少し奇抜で、一見すると信じられないと感じる事もあります。
しかし、どこか人間味あふれる様子に笑い、また内なる悩みに共感し、せつなさを感じることもあります。
少女マンガの様なドラマティックな展開も、映画の様な華々しい展開もないので「大恋愛」が読みたい方にはオススメ出来ません。

奇妙だけど人間味あふれる物語が好きな方にはオススメの一冊です。

収録作品:シンプリーヘブン/心身/柱の実り/黒い飲み物/穴/ピース/嘘の味
初版:2010年11月/祥伝社
コミック版:2011年/11月/祥伝社

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