天国旅行

本書は「心中」をテーマにした七つの短編が収録されています。
自殺を決意して樹海に入った男性、周囲に反対されながら結ばれた相手に宛てた遺言、初盆に訪れた不思議な客、夜に見る「夢」を前世と信じる女、憧れた人が死んだ理由を探る少女、死んだ彼女の幽霊と一緒に暮らす若者、一家心中で生き残った男の記憶など本書に登場する人々は様々な事情を抱えています。
テーマが「心中」なので、収録されている話の中には救いのない終わりもあり、ハッピーエンドが好きな人には不向きな本でもあります。
ですが、どの話も「愛」について悩んだり、考えさせられる話です。
この辺りは数々の恋愛小説を手掛けた作者だから書ける物語なのでしょう。

登場人物がキレイ、またはカッコイイなど主人公に都合が良い展開に飽きた人、たまには暗い小説が読みたい人、もしくは「愛」について少し考えたい人にはオススメの短編集です。

ただ、先にも書いたように救いのない話もあるので、落ち込んだ時に読むのは避けた方が賢明です。
そんな時は同作者の青春小説など明るい作品をオススメします。

収録作品:森の奥 / 遺言 / 初盆の客 / 君は夜 / 炎 / 星くずドライブ / SINK
初版:2010年3月/新潮社

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